「赤ちゃんの心臓って、いつできるの?」
お腹の赤ちゃんは妊娠週数によって発育する器官(体の臓器)が異なります。
心臓や神経、四肢などおもな臓器は妊娠に気づき始めた初期からつくられます。
(※これらの主要な臓器が作られる時期を器官形成期と呼び、妊娠4~15週までを指す)
この時期に、妊婦さんの感染や薬剤の使用などの生活によっては器官形成に影響を与え、先天異常を引き起こす場合があるのです。
妊娠4週とは生理開始予定日。
生理がこないと思った時にはすでに器官形成期にはいっています。
なので、妊娠に気づいてから生活を変えても遅いのです。
健康な赤ちゃんを授かるためにも、妊娠前から赤ちゃんがすくすく育つ環境を整えてあげたいですよね。
赤ちゃんのからだ作りには、どんなことが影響するのでしょうか?
妊娠前に気を付けること①感染症
トキソプラズマ、風疹、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘・帯状疱疹といった感染症にかかると器官形成に影響を与えます。
たとえばこの時期に風疹に感染すると、赤ちゃんは高い確率で先天性風疹症候群になり、白内障や心奇形、難聴といった先天異常を発症します。
妊娠初期に感染症にかからないためには、以下のような対処が必要になります。
- 妊娠前に予防接種をうけておく
- 性感染症がないか婦人科受診して検査しておく
- 風疹など流行時期はマスクなど予防を心がける。
妊娠前に気を付けること②薬剤
薬剤による催奇形性のリスクが一番高いのは4週から7週です。
一部の抗菌薬や抗ウイルス薬、また解熱鎮痛剤は、妊娠中、服用できないため、常用している薬がある人は、医師への相談しておくとよいでしょう。
例)テトラサイクリン(抗菌薬)→一過性発育不全や歯の着色・エナメル質形成不全を生じるリスクがあります。
また、C型感染治療薬(リバビレン)など一部の薬は、男性の精子形成能に影響していたり、精液中に移行する可能性もあるため、パートナーが常用している薬にも注意が必要です。
妊娠前に気を付けること③放射線
被曝による奇形または発育遅延のおそれがあります。
妊娠の可能性があるときは医師に伝えるようにしましょう。
妊娠前に気を付けること④高血糖
妊娠初期に高血糖であると催奇形性のリスクがあり、とくにHbA1cが8.5%以上の場合、20−30%に催奇形性があります。
糖尿病の方は、血糖コントロールができ、医師の許可でてから妊娠したほうがよいでしょう。
妊娠前に気を付けること⑤アルコール
適量であれば問題ありませんが、たくさん飲みすぎた場合、精神発達遅延や小頭症、行動異常、心疾患や関節の形成異常のリスクとなります。
妊娠前に気を付けること⑥葉酸
葉酸が不足すると、妊娠7週までにつくられる神経の発達に影響があります。
(二分脊椎症などの神経管閉鎖障害を引き起こす可能性があります)
そのため、妊娠前から葉酸の摂取を心がける必要がります。
妊娠前は1日200μgの摂取が必要ですが、妊娠すると1日400μgの摂取が必要となります。
葉酸はほうれん草や、レバー、いちご、アボガドなどに多く含まれています。
摂取が難しい場合は、サプリメントで補うことがおすすめです。
妊娠前に気を付けること⑦タバコ
催奇形性はないが、流産のおそれがあります。
よって、妊娠前から食事や環境を見直し、健康的な生活を送りましょう。